車椅子で外出しはじめたころ、人目が気になるのはしかたがない事だと思っていた が、ベビーカーの子供が手を振ってくれたのには驚いた。どうやら先方は大人が同 じ乗り物にのっているようだと思ったようだし、あるいは仲間にであったとよろこ んでくれたのかもしれない。
外出するとエレベーターにしてもスロープ通路にしても電車の車椅子スペースある いは車椅子対応トイレ(多目的トイレ)なんかでも頻繁にベビーカーを押すお母さ んに出会う。一昔前なら子供をべビーカーに乗せて地下街で買い物をしたり電車に 乗るなんてことは階段等に阻まれて非常に困難なことだったし、子育て中のお母さ ん・お父さんがベビーカーを押してどんどん外出できるようになったのは「すべて の人にやさしい街づくり」をめざして活動してきた仲間の成果だと思っている。「 すべての人にやさしい」だからベビーカーの幼児が外出しやすい環境づくりをもめ ざすのは当然のことである。
ベビーカーの立場と車椅子利用者は立場を同じくしているのだから、子供が出来た ばかりのお父さんお母さんがたは我々のバリアフリーの活動を、自分たちも関係す ることとして理解してほしい。
とはいえ、やっぱり大人だからベビーカーの子供といっしょにされるといささか抵 抗が!京都の地下街へのエレベーターで出会ったベビーカーを押すお母さんが幼子 にむかって「おじちゃんも同じのに乗っているよ、いいわねぇー」
「私の方はあんまりよくないんですけど・・・」
エレベーター設置の要望は車椅子利用者のため だけにおこなわれているのではないことを、車 椅子利用者仲間自身も認識しましょう。
私たちがもし自分たちの利益だけのみに目をう ばわれて活動するのなら、その主張が社会に受 け入れられないことも知っておきましょう。



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