車椅子アクセス解説・飛行機編


著者は車椅子利用者の仲間入りをしてから平成3年以降、羽田・新千歳・函館・大阪(伊丹)・関西・高知・ 那覇・青森の空港を利用して飛行機で旅行した経験があります。残念ながら車椅子利用者になってからは海外 (外国)へ行った経験はありません。それなりの施設の整った空港での困難のすくない利用経験しかして いないかとも感じていますが、飛行機に乗った経験のない仲間の方もおられると思いますので、参考にし ていただければ幸いです。
なおデンクル(電動車椅子のこと)場合は飛行機に積み込む際バッテリーの扱いに特別な注意が必要ら しいのですが著者自身はシュックル(手動車椅子のこと)しか持ち込んだことがありませんので、詳しいこ とはわかりません。またご紹介する内容は著者が体験した時点の著者自身の感想ですので、その後、施 設の改善や新機種の導入またご覧いただいている方の障害の程度によって利用実感(便利に感じたり、 不便に感じたりする程度)が変わってくると思います。

機内用の車椅子に乗換える必要があります

椅子利用者が飛行機に乗る場合、他の公共交通機関と大きく異なることがあります。それは機内用の車椅子に乗換えて搭乗しなければならないということです。飛行機に乗られると気づかれると思いますが 通路がたいへん狭く、普通の車椅子では座席にたどりつけません。そこで写真のような後輪が取り外せてひじあても邪魔にならないように出来る「機内用車椅子」に乗換える必要がでてきます。電車なら「通路が通れないなら扉の前でがまんしておくよ!」などということは車椅子利用者であれば日常的に体験され ることですが、飛行機の場合は座席にすわってベルトをしておかないと離着陸時にあちこちにぶつかって 障害がさらに重くなるなんてことになりかねません。

機内用車椅子と搭乗・機内の様子

機内用車椅子にもいろい ろな種類がありますが、 基本的には機内に入る直 前に後輪が取り外され、 ひじあてもじゃまにならな いように曲げられる等の 構造になっています。

ボーディングブリッジの床に飛行機との段差解消のスロープがもうけられていることもあります。完璧なものではありませんが。

機内用車椅子の後輪がとりはずされ ボーディングブリッジから搭乗する。麻 痺している足が車椅子から落ちないように両手でかかえています。

以前は空港についた時点で機内用の車椅子に乗り換えなければならなかったのですが、搭乗の直前まで自分の車椅子に乗ったままで移動できるサービスを受けられることが多くなってきました。

機内用の車椅子にも工夫がされるようになってきて、下半身不随の乗客がイスから落ちないように凹凸が設けられているタイプのものもありました。

機内で一般座席に乗換え る、この時ひじ当てが上 げられる構造の座席を予 約できるかがポイントにな ります。
通路の幅は狭く、一般の 車椅子が機内では利用 出来ないことがわかって いただけるでしょうか。

車椅子利用者にとってはまだまだクリアすることが多い空の旅ですが、上空からの景色ぜひとも足腰が不自由であってもご覧いただきたいものです。

大阪から青森への機内より



1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32
33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 # 45 46 47 48
49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64
65 66