車いす旅行者のための新幹線車両図鑑2

著者は車イス常用の生活になってから、京都から新大阪まで100系の東海道新幹線に乗車して以来、平成21年に山形新幹線に、さらに2013年にE5系E6系も利用することが出来、大半の種類の新幹線車両に乗車体験できたのでは、と思っています。「車椅子旅行者のための新幹線車両図鑑2」では主に平成17年以降著者が利用した東北・上越・秋田・山形・九州の新幹線の車椅子対応設備をご案内できればと考えています。(200系新幹線については図鑑1でご紹介しています)
またこのページで紹介する新幹線は著者の住む地域からは遠方であるため、利用する機会が少なく、東海道・山陽新幹線に比べて曖昧な情報になっているところがあります。また車両形式番号などが不明な部分もありますので、あくまで著者が利用した時の状況・感想であることをご了承ください。

のぞみ・ひかり・こだま・さくら 等についてはこちらへ

車椅子電車評論家・アシトド松井

新幹線車両を車椅子そしてオストメイトの二つの障害の立場からアシトド解説

東海道・山陽新幹線はこちらへ


 E5系  フル規格の新幹線車両、東北新幹線の主力車両になるのならオストメイト対応トイレをなんとか・・・

             東北新幹線「はやぶさ」として運行されていた車両に車椅子で乗車しました

2011年に運行を開始・最高時速320キロという新幹線。この車両にについては、オストメイトや重度の車椅子利用の障害者仲間かN700系に比べてグレードが下がっている(配慮が不足している)のでは、という情報が入ってきており、いくらなんでも別会社とはいえ同じJRグループで、そのようなことはないだろう?。ようやく2013年に乗車する機会を得て、双方の障害者の立場から見せてもらうことが出来ました。

新青森に向かうはやぶさ
に大宮まで乗りました、なにせ金力と体力が・・・

車椅子対応座席(普通車)のものはアームレストがあげられ、乗移りやすいものでした。また著者が車椅子に乗ったままの状態で、車内販売のワゴンが通ることが出来ました。
(2013年乗車体験)       参考に鉄道車両図鑑もみてね

多目的トイレに設置されていたのはオストメイト・トイレと称されるもので最も使いにくいタイプのもの、パウチ内の汚物を洗う目的のものだが便器に落としてしまうこともなんども体験済みです。

このスイッチも上肢に障害のある方には使いにくいものだそうです。鍵は硬く代わりのスイッチは小さいのかも?
(2013年使用体験)

多目的トイレと多目的室は通路側に曲線を画いて広げられ、著者の障害レベルでは使いやすいものでした。(2013年利用体験)

多目的室も見せてもらうことが出来ました。私も部屋を譲ったことがありますが、授乳に使われるお母さんが多いようです。

新型車両なのにホームとの段差はちゃんとつくってあるの。200系には単独で乗降した記憶があるのですが、思い違いなの?

この列車にはグリーン車やさらにグランクラスという名称のグレードの高い座席車両があるそうですが、取材できていません。

▲ページの最初にもどる


  E2系  フル規格としての車内空間の広さをそなえた新幹線

             東北新幹線「はやて」として運行されていた車両に車椅子で乗車しました

200系に変わって東北新幹線の主力となった車両、「はやて」として運行されている車両に平成17年に東京〜仙台間を利用してから、盛岡〜東京間、八戸〜東京間などでも利用させてもらったのですが、車椅子から座席に移って寝込んでしまうことが多く今回あまりいい写真がなく、もっと撮影しておくべきだったと反省しています。車椅子対応トイレとサービスルームをはさんで、グリーン車の車椅子対応座席と普通車の車椅子対応座席が設けられています。共に車椅子利用者が座席に乗移ることを前提に設計されているようでした。

200系に変わって東北新幹線の顔となったE2系新幹線、「はやて」として運行されていた車両
(平成17年JR仙台駅にて撮影)

在来線規格の新幹線を連結しての運行もされていました。
(東京駅にて撮影)

E2系東北新幹線「はやて」の普通車の車椅子対応座席は3列座席の1席分を取り外してありました。ひじ当てが上げられるようになっていて、著者の障害レベルでは乗移りしやすい構造でした。
(平成17年撮影・車両番号はE224−1108でした)

通路を挟んでグリーン車の車椅子対応座席があり、その間に車椅子対応トイレ、多目的室があります。

グリーン車の車椅子対応座席は、ひじ当ては固定式、著者の障害レベルでは乗移りは困難です。

E2系東北新幹線「はやて」の車椅子対応トイレ。フル規格の新幹線としての広さが確保されていました。通路に対しては直線的なものでした。
(平成17年撮影)

E2系東北新幹線「はやて」のサービスルームは切符購入時に予約することはできず、使用希望者は客室乗務員の方に申出ることになっているようです。利用したことがないので中の様子は分かりませんでした。
(平成17年の時点で)


 長野新幹線「あさま」にも乗ったのですが充分な取材ができてません

平成19年東京から長野新幹線「あさま」に乗って高崎まで旅行しました。高崎駅から長野新幹線が分岐するので東北新幹線と同じ区間しか乗車していないのですが、長野行き新幹線で別に車両が変わるわけでもないので、長野新幹線の車椅子対応車両としてご紹介したく思います。ところが、以前に乗った「はやて」となにも変わったところがなく、車内の様子や車両番号をチェックすることもなく普通車の車いす対応座席に乗移って寝込んでしまいました。同じE2系で上の記事と同様の車椅子対応設備を備えた新幹線だと記憶しているのですが、写真が少なくこのページを作成している平成21年から随分時がたったため、あいまいなところがあります。申し訳ありませんが後はご自身の車イスでお確かめいただければ幸いです。

長野新幹線「あさま」
(平成19年高崎駅にて撮影)

「あさま」の車椅子対応トイレ
(平成19年撮影)

「あさま」のグリーン車の車椅子対応座席

▲ページの最初にもどる


上越新幹線Maxとき

JR東日本で運転されている全車両二階建新幹線、そのうち上越新幹線で運行されている「Maxとき」に乗車することができました。車いす利用者の場合リフトを使って二階部分にあげてもらうのですが、車掌さんに操作してもらう必要があり、また車椅子対応トイレは扉と同じ高さの場所にあるため、座席から単独で移動することは出来ません。著者のようにオストメイトとしての内部障害がありトイレの心配もある障害者にとっては、座席から気軽に車椅子対応トイレに移れる車両の方が有難く感じました。なおリフト付きの車両は二両あり普通車とグリーン車があるようです。車イス対応トイレはフル規格の新幹線として広さが確保されていました。
(平成19年乗車体験)

全車両二階建ての上越新幹線「Maxとき」

上越新幹線「Maxとき」の車椅子対応トイレ

二階建て新幹線MAXにはリフトが装備されていることは駅のポスターで知っていたので平成8年に仙台を訪れた際にも乗車を計画したのですが時間の問題で200系の「やまびこ」に乗車することになってしまいました。なおMAXとよばれる二階建て新幹線にも何種類かの車両があるそうですが、著者には今回ご紹介したものが何系車両なのかも含めてよく分かりませんでした。

著者が乗り損ねたMAXやまびこ
(1995年JR仙台駅で撮影)

MAXと呼ばれる全車二階建て新幹線の新型車両。著者が平成19年に乗車体験した「とき」とは明らかに外観がことなっていますが、乗車体験できていないので車内の様子は不明です。
(平成21年JR東京駅にて撮影)

▲ページの最初にもどる


山形新幹線「つばさ」に車椅子で乗車体験
  (平成21年米沢・山形に旅行で乗車した車両と福島県を旅行で利用した車両)

山形新幹線「つばさ」は在来線と同じ車両の幅のミニ新幹線、東京〜福島間は東北新幹線「やまびこ」との連結運転となりホームと車両の幅が大きくなるため折りたたみ式の渡し板が出てきます。車椅子での乗降の際にはさらに車イス用の渡し板を準備していただけました。車椅子対応座席はひじあての上げられないタイプのものでした、また車椅子対応トイレも車両が在来線と同じ規格であるため「のぞみ」や「はやて」に比べると狭いものでしたが著者の利用には大きな問題はありませんでした。

東北新幹線「やまびこ」と連結して北上します(平成21年東京駅にて)

車両から渡し板が出ているのがわかりますか(平成21年東京駅にて)

米沢駅(山形県)にて車いす用渡し板で山形新幹線に乗車のようす

「つばさ」の車椅子対応座席はひじあてを上げることが出来ませんでした

著者はついに自力で座席を回転させ乗移る術をみにつけました、でも一苦労

山形新幹線「つばさ」の車椅子対応トイレ
(平成21年撮影)

山形新幹線については、同じく平成21年に福島を旅行した際に、乗車することが出来ました。その際、車椅子対応トイレを広くするために改善がなされているのではないかと感じましたので、もう一車両ご紹介いたします。

JRかみのやま温泉駅を発車する山形新幹線「つばさ」 
(平成21年撮影)

ここからは福島に旅行した際に乗車したE311-2001という車両を含む編成の「つばさ」です

著者が福島まで利用した「つばさ」写真左の車両と違うと思いませんか?
(平成21年東京駅にて)

普通車の車椅子対応座席はデザインが変わっていたものの、ひじあてが上がらず著者の障害レベルでは乗り移りに苦労するのは同じでしたが、車椅子対応トイレは斜めに広く作られていて、車イスで入室しやすくつくられていました。また案内板には多目的室の表示があったのですが、著者は利用していませんので詳細は不明です。
(平成21年乗車体験)

在来線規格の幅の山形新幹線「つばさ」は東北新幹線内の駅では板が出てきますがその上にさらに車椅子用渡し板を設置してもらえました。
(平成21年東京駅にて)

▲ページの最初にもどる


   E6系  ミニ新幹線ではあるが車椅子での居住スペースを意外と確保・オストメイトトイレも改善
           秋田新幹線「スーパーこまち」として運行されていた車両に車椅子で乗車しました

秋田からやってきた
スーパーこまち

に大宮から乗りました、なにせ金力と体力が・・・

E4系とE5系が連結して走る、ミニ新幹線のない関西では見られない光景。(2013年撮影)

普通座席の車椅子対応シートは4列のところを通路を挟んで二席分取り外してあり、そのうち一方のアームレストを上げられるようにしてありました。車椅子一台の横を車内販売のワゴンが通り過ぎることができました。(2013年撮影)  参考に鉄道車両図鑑もみてね。

車椅子2台で車内で騒いでいると、一般乗客の方が記念写真を撮ってくださいました。    しゃないやっだ〜!

「車椅子利用のお客様にお願いします、周りの迷惑になりますので、車内レーアウトのチェックはご遠慮ください」とアナウンスされるかも?
乗せてくださっただけでも幸せですよ、車椅子利用者が電車に乗ることを認めてもらうまでは大変だったのですから。アシトド探訪記もみてね

多目的トイレはオストメイトの立場としてはE5系より数段に改善されていました。意見を聞いて下さったのですね。通路寄りに曲線に広げられた構造で、著者の障害レベルなら使用に問題はありませんでした。オストメイトとしてはN700系のほうがいいとおもうけどね ミニ新幹線だからおさえて。

グリーン車の車椅子対応座席は著者には使い難そう、値段の問題じゃないぞ!
ひじ当てが動かせないんでしょ。

多目的室の写真も写させてもらいました。
(2013年撮影)

車内の案内図です。通路を曲げてトイレを車椅子利用者に配慮されているようすが良くわかります。

通路が曲げられているのがわかりますか?
販売の仕事は著者も経験ありますが、立ち仕事で大変です。車内スペースは狭いし。

上野駅の新幹線ホームでは、「こまち」「つばさ」など車幅の狭い新幹線のために工夫されたと思われる車椅子用渡し板を設置してもらえました。(2013年撮影)

▲ページの最初にもどる


秋田新幹線「こまち」に車椅子で乗車体験
          (平成19年秋田・角館に旅行で乗車した車両)

秋田新幹線「こまち」は在来線の幅が同じ車両で運行されているミニ新幹線、東北新幹線の区間・東京駅から盛岡駅まではフル規格の新幹線「はやて」と連結して運行されていました。これからご紹介するのは著者が平成19年に秋田・角館を旅行した際に利用した、E326-23という車両を含む編成の列車の車椅子対応設備です。

「こまち」は東京〜盛岡間は「はやて」に連結して運行されていました。
(写真左上・東京駅にて 写真上中央・角館駅にて)

 

東京〜盛岡間では渡し板が出てきます。車椅子乗車の際にはさらに車いす用渡し板を用意していただけました。

「こまち」普通車の車椅子対応座席はひじあてをあげられず、著者の障害レベルでは車イスからの乗移りは大変でした。通路も混んでいてグリーン車は見にいけませんでした。またトイレはフル規格新幹線に比べれば狭いものでしたが著者は自力で使用することが出来ました。
(平成19年使用)

利用はしませんでしたが秋田新幹線「こまち」車内サービスルームをみせてもらえました。ベットとして使用できるいわゆる多目的室でした。
(平成19年撮影)


九州新幹線「つばめ」に車椅子で乗車体験
          (平成17年に鹿児島中央駅から・新八代まで乗車した車両)

九州新幹線「つばめ」には平成17年に鹿児島中央駅から新八代駅まで乗車しました。フル規格新幹線としての広さが確保されているものの車イス対応座席のひじあては動かすことができず、車内の写真を写して車椅子から座席への乗移りをためらっているうちに、30分の乗車時間が過ぎて新八代駅に到着してしまいました。

九州新幹線「つばめ」(平成17年撮影) 渡し板で乗車させてもらえました すだれをつかうなど車内は和風のつくり

車椅子対応座席には乗移れませんでした。私がリハビリ不足なの?

車椅子対応トイレはフル規格新幹線の広さが確保されていました。

新八代駅で博多行きの「リレーつばめ」に同じホームで乗換でした。

▲ページの最初にもどる


アシカなくてもトドまらず


東海道・山陽新幹線はこちらへ

足るを知り あるもので満足しましょう
それじゃ 消費が伸びず景気がよくならにんですけど?? 「足るを知る」って本当はどんな意味なんでしょうか