車椅子外出(晴れの日・雨の日・雪の積もる日?)

車椅子外出図鑑といってもバリアフリーの進んだ都市部では、単独で行動されているデンクル(電動車椅子)の方や、1人でどこでも行っちゃうシュックル(手動車椅子利用者)の方をみかけるのも珍しくもなんともありませんので、今回の車椅子での写真は雨の日と雪道バージョンでご紹介いたします。        ひっくりかえって頭をうってもしらないよ〜  

著者の雨の日の車椅子で外出フル装備(写真1)

さらに傘をさす場合も(写真2)

車椅子で雪道のぼって城めぐり

まず(写真1)をご覧下さい。上半身は雨合羽(カッ)で下半身は魚屋さんなどが使用する防水効果の高い前掛けを使用しています。雨合羽のままで用を足さなければならなかったり、オストメイトの車椅子利用者はウチのチェックも大切ですので上下が別々の雨具が便利です。前掛け(写真1 下半身の青い布)は洗濯バサミで固定して強風に対応しています。著者は2003年(平成15年)に松江を旅行中、台風の直撃をうけて、雨具を飛ばされそうになった経験から風雨の強い日には、洗濯バサミで固定するようになりました。
著者は幸い上半身が使えますのでさらに電動車椅子使用時には傘をさすことも可能です(写真2)。通常の雨なら前掛けで傘を差して簡易電動、これが著者の雨の日の外出スタイルです。

なんでもそうですが、臨機応変に対応することが大切だと痛感しています。雨の振り方、風の強さによって車椅子での外出時の装いも変わるべきです。天気の悪い日は外出しないのが一番なのですが、約束ごとや仕事、通院などでそうもいかない場合もありますよね。
でも雨の日にわざわざ車椅子で花見にいかなくてもいいじゃん

著者はキャスター(車椅子の前輪)を上げることができ、多少の段差は超えることが出来ます。幸い簡易電動車椅子(レバーの切り替えによって手動にも・電動にも切り替わる車椅子)でもキャスターを上げることが出来、段差の少ないホームであれば簡易電動車椅子でも単独で電車に乗ることが可能です、でも転倒すると自力で車椅子にもどる事はできません。リハビリが足らなかったのか、身体の変形のせいなのかよくわかりませんが、それでも外出好きの性格を変えることはできませんでした。

車椅子での外出の際、心がけていること(一般的な車椅子外出のヒント)

1 キャスターを上げられるなら車椅子の前後のバランスに注意しよう

荷物は車椅子の前にショルダーバックと後ろにナッサックにバランス良く分けるようにしています。キャスターを上げたときにバランスをくずして転倒しないための工夫です。前のショルダーバックは車椅子の後方からくくってあり、座位バランスの悪い著者の安全ベルト代わりになっています。電車に乗る前には一度安全な場所でキャスターを上げてみてバランス状態を確認します。買物などして荷物が増えたときは特に気をつけています。

2 わずかな段差は意外に危険

大きな段は細心の注意を払って対応しますが、わずかな段差や溝は油断していたり、全く気づかなかったりするのでかえって危険です。著者が車椅子での外出時に転倒してしますのは、ほとんどの場合わずかな段差です。介助者がいる場合でもきちんとキャスターを上げてもらわないと前につんのめったりします。

車椅子での外出の際、心がけていること(天気の悪い日の車椅子外出のヒント)

1 雨合羽や傘で人に迷惑がかからないように大き目のビニール袋を用意しておく

著者の現時点のライフスタイルでは、雨の日も・風の日も電車やバスに乗ってしまいます。お店やスーーにも行ってしまいます。だから雨具をいれる大き目のビニール袋を容易しています。雨具の出し入れはすごく面倒ですけど上半身が動かせるという残存機能がある車椅子利用者にのみ与えられた特権です。

2 雨の日は坂道は要注意

手動車椅子を使って雨の日に外出することもあるのですが、リムがぬれてしまって手がすべってしまいます。特に下り坂では手は滑るし、リムを握り締めてもタイヤはスリップするし。選択肢があるなら多少遠回りになっても広く平坦な道を行くほうが無難です。

3 外に出ない勇気も大切

最近ゲリラ豪雨や異常気象で健常者でも外出を控えるよう注意される地球環境になってしまいました。車椅子で外出中に怪我とか、事故なんかにあったら。少し前だったら、「じゃあ車椅子での外出はやめてもらおう」なんて話にもなりそうです。天候によっては出かけない勇気も大切だとおもいます。

僕は出かけない勇気があるから車椅子生活になってから外に出たことかないぞ!
それはちがうだろ〜

雨の日だって車椅子でみんなお出かけしてるのよ
 みんな夏休みにハワイにいくのよ みんな記念日に奥さんにプレゼントするのよ、
1人いたらなんでもみんなていう

聞くところによるとバッテリーがぬれてしまってトラブルが起こることもあるそうですが著者は経験したことがあませんのでわかりません

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車椅子での外出の際、心がけていること(雪の積もった日はどうするの?)

1 まず出られないと思うけど 

豪雪地帯に住む車椅子利用仲間に聞くと、「これからは冬篭りです」なんて返事が返ってきたりさすがに外出は困難そう、福祉機器の展示会やパンフレットで四輪駆動の車椅子や戦車のようなキャタピラの付いた車椅子を見たことはあるのですが、実際にそのような車椅子で買物に行ったり、通院したりされる方はおられるのでしょうか?

2 電車で山間をぬけたらそこは雪がいっぱい積もっていた

簡易電動を使い始めて六輪(転倒防止用の補助輪を出した状態)にすればひっくりかえることのないことに味をしめた著者は、当時発行されていた企画切符、正月限定の「ひかり・こだまと在来線特急乗り放題切符(正式な名称と細かい利用約款は忘れてしまいました)」を使って単独で山梨県甲府に城見物に出かけましたが、地元の方がわずかという積雪をかき分けて進むだけでバッテリー切れ。詳細はこちらのページに         甲府城めぐり

著者が訪れた2005年(平成17年)1月1日の山梨県甲府市は新年のイベントが中止されたり、バスの運行が遅れたりとそれなりに甲府の皆さんにとっても大雪だったのではと思うのですが、地元の方にうかがうと「こんな雪たいしたことないよ」というすっかり雪に慣れておられるようす。街の中心部を巡ったのですが、車椅子を利用されている方にはだれも出会いませんでした。

著者は1991年(平成3年)に職場のメンバーと雪のドッサリ積もった福井県を旅行したことがあるのですが、除雪がすんだ道なのに乗せてもらった自動車から民宿に入るだけが精一杯、キャスターを(前輪)を上げるなんて想像外(多分滑って後頭部を痛打するだけ)、手動車椅子の無力さを思い知らされたことがあります。そういえばパラリンピックにも車椅子フィギュアスケートとかないですよね?

調べてみると、雪道用の車椅子もありました、タイヤの溝を深くして滑り止め用のイボイボをつけたもの、マラソン用車椅子のような外見に改造した電動車椅子(タイヤは五輪以上のあったと思います)など、でもどれも除雪をされた道で多少のアイスバーンに対応できるのかなあというのが著者の感想、まあ大雪に車椅子で出かけることは現在の技術では難しそうです。

冬用のタイヤだそうですが、ずいぶん磨り減った状態だそうです。

簡易電動で六輪(転倒防止用の補助輪を出した状態)だと転等したことはないのですが、雪の積もった日に狭くなった道を進んでいたら後ろからきた車にクラクションをならされ、あおられて道路の左右は雪が積もったままだし、止まったらスリップして車椅子ごと回転しそうだし、どないせぇちゅうねん状態に追込まれてすごく惨めな思いをしたことがあります。

なんで積雪の日に自動車なんかで出かけるんだ、あぶないじゃないか!
車椅子で出かけてるあんたに言われたくないよ

近年・地球温暖化のためか著者の住む地域ではめったに雪が積もらなくなりました。車椅子利用者にとっての雪国の本当の厳しさを著者は知りません。

車椅子での外出の際、心がけていること(その他)

1 ありがとうは何度でも

接客業をした経験がありますか?コンビニでバイトした経験はありますか?「ありがとうございます」という言葉は練習しなければなかなか声には出せませんね。でもその言葉をいえるのは、貴方が声を出せるという残存機能がある賜物なのですから。少しでも外出を助けてくれる方に出会ったら毎日毎日、何度でも伝えましょう。

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塵も積もれば山となる 雪が積もればすごいバリアーになる