リクライニング式車イスでの移動について考える

寝台式車椅子や緊急時のストレッチャーに街はどれだけ対応できるのですか?

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バリアフリーを考えて、そういう街づくり建物づくりに参画する立場におられる方には、リクライニング式車椅子やベット式車椅子利用者の方、緊急時にストレッチャーでの移動が可能なようにエレベーターの大きさや、スロープ通路の幅、電車やバスの車椅子スペースについて配慮していただきますようお願いします。もし一般的なサイズの車椅子利用者の方が自分の使えるレベルのバリアフリーで満足されているようでしたら、それはかつて私たち車椅子利用者を社会や公共交通から排除したものの考え方と同じようなものと感じられます。リクライニング式車椅子でも外出や旅行を、まだまだ理想論かもしれませんが自分の状態にだけ良いバリアフリーであってはいけないように感じています。

横になる・うつぶせになった状態で利用する車椅子は著者の調べた時点と範囲では「リクライニング式」という言葉が使われることが多く、ほかにも「寝台式」「ベッド式」などという言葉がみうけられました。厳密にいうと種類の異なる車椅子ではと感じていますが、このページではそのすべての言葉を「横になる・うつぶせになった状態で利用する車椅子」という意味で使っています。一般的な車椅子よりも広いスペースが必要という共通点があるからです。

著者は札幌駅・京都駅や熊本でベッド型車椅子の方と偶然話をさせてもらう機会があったのですが、どちらの方も鉄道や路線バスなど公共交通機関利用されているようで、ハンディキャップがより重い障害者は単なる車いすではなくベッド式(寝台式)に改造した車椅子の利用になるのだということ、全ての人に優しいバリアフリーの街つくりをめざすのであれば、寝台型車椅子の人が利用できるものでないと障害の程度の比較的軽い車椅子利用者に配慮しただけの施設ではないかとを痛感させられました。また少数ではありますが災害時に乗客をストレッチャーで救出するため、それに対応した大きさのエレベーターを設置した地下鉄などもあります。人間がもっとも健康を害しているときの究極の移動手段はストレッチャーなのではないかと思うようになりました。とはいえストレッチャーで電車に乗ってみるわけにもいかないようですし、著者自身は寝台式車いすででかける必要も、試してみようという勇気もありません。そこで病院で一般的なストレッチャーとこのホームページで掲載している著者の簡易電動型車椅子との大きさを比較した写真をとらせてもらいました。ベット式車椅子(寝台式車いす)を利用されている、読者の方がおられましたら、私の車いすとの大きさを対比しながらこのホームページでの車いすの旅行をお楽しみいただければ幸いです。

寝台(ベッド)式車椅子で街に出る

著者がホームページ上で使用している車椅子とストレッチャーの大きさの比較

このホームページ上で著者がよく乗っている簡易電動型車椅子と病院のストレッチャーの大きさを比べてみました。横幅はひとまわり大きく、長さは1.5倍を超える程度ではないかと思います。もし私がリクライニング式車椅子、ベッド式車イスを利用しなければならなくなったら、幅はとにかく、長さは1.5倍より少し短めのベット型車いすが必要になると思われます。なお著者が併用している手動車イスは写真の簡易電動型車イスよりひとまわり小さいものになります。

駅に設置されているエレベーターと著者の簡易電動型車イスの比較

駅に設置されているエレベーター内部に著者が簡易電動型車イスで乗っている写真をご紹介します、もし寝台式車椅子・リクライニング式車椅子や救出してもらう際ストレッチャーにのせてもらうとなると、どれだけのエレベーターが利用できるのでしょうか?

奥行きのある11人乗りのエレベーター、兵庫県内の駅でベット式車いす利用者が使っていると説明をうけたものと同型のもの、私にはこれでも狭いように思うのですが?

左側と同じ広さのエレベーターだかL字形に曲がる必要がある、ベット式車いす・リクライニング式車椅子で使えますか?

定員20名の奥行きのある長方形のエレベーターこれなら大丈夫

正方形のエレベーターをL字形の導線にしたもの、ベット式車椅子の利用は困難と思われるのですが?


以前車椅子仲間と大勢で電車で移動する際、荷物用エレベーターを使わせてもらうと車いすが何台も同時にのれて便利だという話がでました。荷物用エレベーターをできるだけ保存してもらおうという意見があると別の車椅子ユーザーに告げると、私たちを荷物扱いにするものだからいやだと反論されました。車椅子利用者のも多種・多様な意見があることは当然のことですが、せっかく車いす利用者をしているのですから、より障害の重い、外出困難の方。非常時にストレッチャで搬送してもらえる構造の駅や、建物・街になっているのか考える時間をもってもらってもいいのではないかと思います。

著者は残念ながらベッド式車椅子での移動や旅行・バリアフリーについて語ることは見た経験しか無いので、深くをかたることは出来ません。「寝台式車椅子に配慮をしても利用するものがいるのか?」「それだけの費用をかける効果や意味があるのか?」という声もきこえそうですが、もしそうなら車椅子利用者が、昭和の終わりから平成の初めごろにかけて毎回きかされた言葉と同じように思えます。

2013年(平成25年)の展示会でリクライニング式車椅子をみせてもらいました。

介助者に押してもらうタイプ

こちらは電動自走式ですがリクライニング状態では電源が切れるように設定されているそうです


電動車椅子でのご来場は危険ですのでご遠慮ください。
じゃあ会場まで自動車を運転してくるのは危険じゃないの?交通事故とか結構ききますけど?